森林認証紙だけがエコじゃない。混抄紙の活用でSDGs。
はじめに
混抄紙(こんしょうし)ってご存知ですか?
SDGsに注目が集まる昨今、この混抄紙についてもエシカルな紙として需要が高まっているのです。
今回はこの混抄紙について紹介していこうと思います。
混抄紙(こんしょうし)って何?
混抄紙とは、木材由来のパルプに加え、その他の素材を混ぜて作られる紙です。これらの素材には、農業副産物や食品廃棄物、リサイクル素材などが含まれます。たとえば、バナナの茎やコメの籾殻、小豆の殻、ジーンズの端切れ、さらにはサッカーや野球場の天然芝までもが原料として使用されることがあります。
特に混抄紙の魅力は、使われる素材によって紙の質感や色合いが異なる点です。これにより、紙そのものが個性的でユニークなデザイン性を持つ製品となります。また、地域特有の素材を活用することで、地域性やストーリー性を付加することも可能です。
混抄紙の何がいいの?
混抄紙には多くのメリットがあります:
-
環境負荷の軽減
廃棄されるはずだった素材を原料として利用することで、廃棄物を削減し、資源を有効活用します。また、木材パルプの使用量を減らすことで、森林伐採の抑制や生態系保護にもつながります。 -
持続可能な社会への貢献
混抄紙は、SDGs(持続可能な開発目標)の理念に基づく製品として評価されています。これにより、企業や自治体の環境への取り組みをアピールするツールとしても活用されています。 -
ユニークなデザイン性
使用される素材によって紙の質感や色合いが異なるため、製品自体に付加価値をもたらします。特に高級感や独自性が求められるパッケージや商品タグに最適です。 -
オリジナル紙の製造可能性
繊維質の素材であれば乾燥させることで混抄紙の原料として利用できます。素材の種類によっては企業やブランド独自の紙製品を作ることも可能です。生産は通常数トン単位で行われますが、環境配慮をアピールできる独自製品として価値があります。
混抄紙にはどんな紙があるの?
・フードロスペーパー
食品廃棄物を活用した混抄紙の代表例がフードロスペーパーです。たとえば、廃棄されるお米を再利用した「KOME-KAMI」や、ニンジンの皮を混ぜ込んだ「VEGI-KAMIにんじん」などがあります。これらは廃棄物削減とともに、地域性や食文化を感じさせるデザイン性のある製品に仕上がっています。
・バナナペーパー
バナナの茎を活用した紙で、通常は廃棄される部分を利用することで、環境負荷を軽減します。独特の風合いやストーリー性が評価され、エシカルなブランド製品によく使用されています。
・小豆殻COC
和菓子などで使用される小豆の殻を活用した混抄紙で、和風の風合いと香りが特徴です。日本の伝統文化を感じさせるパッケージや商品タグに利用されています。
・グラウンドの芝を使ったノート
使用済みの天然芝を再利用して作られる混抄紙の例です。スポーツイベントや学校の記念品として、またサステナブルな取り組みを象徴するアイテムとして話題性があり、オリジナルの混抄紙の事例として注目に値します。
まとめ
混抄紙は、資源の有効活用と環境負荷軽減を両立する新しい紙の形です。その独自の風合いやデザイン性を生かして、パッケージや販促物、高付加価値製品などに利用されています。企業独自のオリジナル紙を開発することも可能なので、エシカルな活動をアピールするアイテムとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
混抄紙を通じて、より持続可能な未来を一緒に目指しましょう。