自然写真家・高砂淳二さんが世界最高峰写真賞受賞しました
弊社カレンダーにご協力いただいている写真家・高砂淳二さんが自然写真最高峰の写真賞/自然芸術部門で日本人初の最優秀賞受賞
海中から星空、極地から熱帯まで、地球全体をフィールドに撮影活動を続ける自然写真家の高砂淳二さん。高砂さんの作品とこれまでの活動に共感した弊社では、2021年から「Life of Earth」と題したオリジナル企業カレンダーを発表。高砂さんには作品提供を含め、制作面でご協力いただいてきました。
そんな高砂さんが2022年10月に開催されたイギリス・ロンドン自然史博物館主催の写真賞「Wildlife Photographer of the Year 58」Natural Artistry(自然芸術部門)の最優秀賞を受賞。自然の美しさ、「地球」という惑星の美しさを最大限表現している作品に与えられるこの部門での日本人の受賞は初ということもあり、大きな話題となりました。
受賞作品はカレンダーでも使用させていただいた「Heavenly Flamingos」
受賞作品「Heavenly Flamingos」
「Wildlife Photographer of the Year」は、1964年にスタート。世界の自然写真家たちが貴重な生態や決定的・美的瞬間を全16部門で競い合う自然写真最高峰の写真賞として知られ、これまでも4名の日本人写真家が各部門で最優秀賞を受賞しています。
高砂さんの受賞がこれまで以上に話題となったのは、多くの人が地球への関心を高められるようにという想いが込められたNatural Artistry(自然芸術部門)での受賞だったこと。戦争や環境破壊、先の見えない未来に不安を抱えながら多くの人が生きている昨今、「いろんな問題が起きている同じ地球上に、同時にこんな瞬間が存在するということ、そして、この地球はこんなにも美しく宝物のような天体であるということを心から伝えたい」という高砂さんの思いを宿した1枚に多くの人が胸を打たれたから、ともいえるでしょう。
受賞作品は、2021年度弊社カレンダー「4月」のメインビジュアルでも使用させていただいた「Heavenly Flamingos」。本当に息をのむような美しい1枚です。
写真を通じて高砂さんが伝えたいこと
「Heavenly Flamingos」は、南米ボリビアの標高3700メートルにあるウユニ塩湖で静かに羽を休めるフラミンゴたちを捉えた1枚。撮影当時の様子を高砂さんは次のように語っています。
「ウユニ塩湖では、雨季にだけ塩原に雨が浅く溜まる。運よく風がピタッと止み、湖面が完璧な鏡状態になったある日、静かに羽を休めるフラミンゴに遭遇することができた。フラミンゴは人の気配に敏感で、少しでも驚かせてしまうとすぐに飛び去ってしまう。そこで遠くから時間をかけて少しずつ近づき、その夢のような光景をカメラにおさめることに成功した」
美しい写真は自然を大切にする気持ちを広げる力がある、とも語る高砂さん。快挙となる高砂さんの日本人初受賞を祝い、高砂さんの作品に改めて触れることで、そうした力を私たちももっともっと養っていきたいものです。
なお「Wildlife Photographer of the Year 58」の展覧会は2023年7月までロンドン
自然史博物館で開催。ロンドンと並行して、現在世界中を巡回中。
ロンドンで開催された「Wildlife Photographer of the Year 58」授賞式の様子
(日本時間 2022年10月12日)
高砂淳二さん プロフィール
写真家。1962年、宮城県石巻市生まれ。ダイビング専門誌の専属カメラマンを経て 1989年に独立。世界100以上の国々を訪れ、海の中から生き物、虹、風景、星空まで、地球全体をフィールドに撮影活動を続けている。 著書多数。ザルツブルグ博物館、ニコンプラザ・THE GALLERY、東京ミッドタウンフジフイルムスクエア、渋谷パルコ、阪急百貨店、大丸百貨店、コニカミノルタプラザなど写真展多数開催。 2008 年には、外務省主催・太平洋島サミット記念写真展「Pacific Islands」を担当。
TBS「情熱大陸」、NHK「SWITCHインタビュー」、日テレ「未来シアター」をはじめ、テレビ、ラジオ、雑誌等のメディアや講演会などで、自然のこと、自然と人間の関係、人間の役割などを、幅広く伝え続けている。みやぎ絆大使。海の環境 NPO 法人“Oceanic Wildlife Society” 理事。