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森林認証紙だけがエコじゃない。非木材紙の活用でSDGs。

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森林認証紙だけがエコじゃない。非木材紙の活用でSDGs。

非木材紙ってご存知ですか?

一般的な紙(木材紙)が木材由来のパルプから作られるのに対して、非木材紙は「木材」ではない「非木材」を原料として製造されます。SDGsに取り組みたいけど何をしたらいいかわからない、そんな場合に、今使用している印刷物の資材を見直して非木材紙も選択肢のひとつとして検討してみるのもいいのではないでしょうか。

今回の記事は、この「非木材紙」について紹介していこうと思います。

目次


非木材紙って何?

「非木材紙」は狭い意味では、針葉樹および広葉樹以外の植物繊維を100%原料としている紙の事をいいますが、原料の一部に非木材を含む場合も非木材紙として扱われる場合があります。
その原料には、竹や藁、バガス(さとうきび)などからコットン(綿)など様々な植物を由来とした紙があるのです。

非木材紙の何がいいの?

昨今のSDGsの風潮によって森林認証紙が注目を浴びています。
当社でも森林認証の重要性については早くから着目し取り組んでまいりましたが、実はこの非木材紙についてもSDGsにつながる資材として注目しています。

非木材紙はどれも独特の風合いをもった個性のはっきりした紙であるのが特長といえるかもしれません。その分、色の再現性やインキの乾きやすさという印刷適正の意味では劣ってしまいますが、独特の手触り感やインクが乗った時のニュアンスは、一般的な印刷用紙では表現が難しく替えがたいものがあります。

非木材紙の種類|どんな原料?どんな紙?

それでは、非木材紙にはどんな原料のどんな紙があるのかを紹介していきましょう。



バガス(さとうきび)



バガス(さとうきび)は非木材紙の原料として広く使用されています。

砂糖を生産する際に出る搾りカスであるバガスは紙の原料以外にも家畜のエサやバイオ燃料の原料としても活用されますが、産業廃棄物として捨てられる場合も少なくありません。

そんな本来捨てられるバガスをパルプ化して作るのがバガス紙です。

未利用資源の活用、廃棄物リサイクルとしての環境利点が注目され、風合いを活かしたラフなノーコート紙だけでなくパールやアルミなどの特殊紙を含む色々な印刷用紙に配合品が増えています。

バガスパルプを使用して作った印刷物には、バガスマークを表記することで環境を意識した印刷物として企業のSDGsやESGの姿勢をアピールすることが可能です。中には森林認証制度の対象品にもなる銘柄もありますので検討してみてはいかがでしょうか。





竹も非木材紙の原料として使用されています。

かつて竹製品は日本の生活シーンに溶け込んでいましたがプラスチック製品に代替されることで活用されることが減ってしまいました。

そのため、管理されずに放置された竹林の増加は社会問題化しています。竹は成長が早いという利点がありますが、中が空洞なためパルプの原料として効率が良くなく活用が進んで来なかった面がありますが、昨今のSDGsの流れを受けて、間伐、伐採された資源の有効活用や里山の保全、生物多様性の確保などの社会課題を解決する取組みとしても注目されています。

また、竹は近年セルロースナノファイバーの原料としても注目されています。

紙の特徴としては、コシや嵩高感を感じるしっかりとした印象で、比較的平滑なため印刷にも適しているといえます。

用途としては、封筒やショッピングバッグ、ノート等の文具や名刺やハガキなど広く活用されています。

 

コットン(綿)



コットン(綿)も印刷用紙の原料になります。綿花は1年草として各国で栽培され、木材より成長が早くその成長段階で二酸化炭素を吸収するためエコであると考えられています。コットンのうち紙の原料となるのは綿花そのものではなく、コットンリンターと呼ばれる綿花を採取した後の種子に残る繊維であるため、綿花の副産物として資源を有効に使う点からも環境に優しい側面を持ちます。

その風合いはとても上品で味わいのある質感と手触りです。

インクをとても吸うので、再現性を求める画像には不向きですが、活版印刷や箔押しなどともとても相性のいい、デザイナーごころをくすぐる紙といえます。

用途としては、案内状や招待状、名刺や封筒などのステーショナリー、パッケージや会社概要など、フォーマルな場面に適しています。


藁(わら)



藁(わら)は非木材紙の原料として世界中で広く使用されているといわれています。

わら半紙と聞くとピンとくる世代の方も多いのでは無いでしょうか。かつて学校のプリント用紙としてガリ版とともに使用されていた「わら半紙」は実は印刷用紙の分類でいう更紙(ざら紙)にあたり、わらからは作られていません。

ここでいう「わら紙」はわらパルプを配合した非木材紙で、素朴でやわらかな風合いのラフな手触りの非塗工紙です。

供給される季節が限られ腐りやすいとされる藁を原料とするため、年間を通じた安定的な生産が難しくレアな紙となりつつあります。

 



以上、非木材紙として知られる4つの原料を紹介いたしました。

 

SDGsの取り組みや、素材としての非木材紙に興味を持たれた方、ぜひ当社の営業に問い合わせお願いします。

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